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「システム創成工学科が目指すもの」
教育プログラム長
木俣 光正
システム創成工学科は国立大学初のフレックスコースとして2010年度(平成22年度)に開設されました.自由でフレキシブルな勉学環境の中でキャンパスライフを送っています.在学生に,「システム創成工学科の魅力は?」と問いかけると,ほとんどの学生が,「自分の進む専門分野を入学後に選択できる」,「学費が通常コースの半額」と答えます.言い換えれば,この2つが,システム創成工学科の紛れもない特徴ということになります.
自分の進む専門分野を入学後に選択できる
「他の大学にも,このような制度はあります.」と言いたい人もいるかと思いますが,システム創成工学科では,自分の進む専門分野を,単に興味があるから,といった漠然とした理由だけで決めることを許していません.大学が用意した科目から学生が好きな科目だけを選んで履修したのでは,卒業時に自分が何を学んできたのかを自信を持って語れないからです.
具体的には,1年次に開講されるシステム創成入門やキャリアパスセミナーの中で,各専門分野で活躍している先生の講演,研究室見学および教員からのアドバイス等を受けながら,「自分はどの専門分野を学ぶのか」「4年間でどのように学んでいくのか」「卒業後どのような社会人を目指すのか」をはっきりさせていきます。第一希望の分野が集中した場合は,1年次の成績と基礎科目の試験により頑張った人を優先させますが,学生は,自分の将来像を意識しながら,大学4年間の学びの目的を認識でき,卒業時に自分が何を学んできたのかを自信を持ってアピールできるようになります.
学費が通常コースの半額
システム創成工学科では,大学院修士課程も含めた6年間で専門知識および人間力を磨いていくことを推奨しています.これは,システム創成工学科のユニークなカリキュラムの教育効果を最大に高めるためです.
入学時に振り分けられた専門分野の科目だけを順に履修する通常コースとは異なり,より広範囲の分野について学習します.1年次でモノづくりの基本である数学・物理学・機械工学の基礎を学び,2年次以降は,各専門分野に分かれて昼間コースの専門科目を履修していきます.また,これら基盤教育や専門教育科目に加えて,学生自身の人間力や社会人としての基礎力を高める手助けを目的として,技術者倫理,PBL(Project-Based Learning),マーケティング論なども受講することになります.
このようなカリキュラムを十分理解しながら学習していくには,学部の4年間は自分の教養を高める期間,専門分野の知識や能力は大学院の修士課程(2年間)に進んでジックリ磨く,という考えが大切です.『学費が通常コースの半額』とうのは,通常コースの4年分の学費で,大学院修士課程を含む6年間の教育が受けられる,と私は理解しています.
「モノづくり人材」ではなく『価値づくり人材』の育成
機械,新素材,エネルギーなどの「モノ」をつくれる人材を育てることは,工学部の大きな使命です.しかし,単にモノがつくれるだけでは人間や社会を豊かにすることはできません.自分がつくったモノが,人間や社会を豊かにすることに貢献する,すなわち,「人間や社会にとって価値がある」モノでなくてはなりません.システム創成工学科の究極の目標は,『価値づくり』ができる人を育てることです.緑豊かで静か,勉学には最適な山形県米沢市で皆さんと一緒に勉強できることを期待しています.